男性エンジニアが育児休暇をとってみて思ったことわかったこと

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2018年の後半に娘が産まれたとき、育児休暇を2ヶ月間取得しました。

正確には、予定日のある月と翌月を完全にお休みにして、産まれるまでは有給休暇(+会社の制度にある配偶者出産休)、産まれた日から翌月最終日までを法律に基づいて取得する「育児休暇」として取りました。

育児休暇から仕事に復帰してしばらく経ったので、育児休暇を取るまで・取っている間・取ったあとの

  • やったこと
  • よかったこと/困ったこと
  • 周囲の反応
  • これから取ろうとしている人、悩んでいる人に伝えたいこと

などを書こうと思います。

前提事項&わたしについて

参考のため、私の状況について説明しておきます。

  • IT系の東証一部上場企業に勤務
    • こう言ったらアレですが、東証一部なんだから育休断ったりしたら今どき問題になるだろうし、OKしてくれるだろう、と思っていました
  • 客先常駐で仕事をしていた
  • 新卒で入社して7年め
  • 自分も妻も実家は遠い(新幹線に乗らなければいけない距離)

育児休暇をとる前

まずは時系列に、取る前の話から。

育児休暇をとろうと思ったきっかけ

そもそもなぜ育児休暇をとろうと思ったか。

ひとつは、出産への立会のためです。

妻の希望もあり、私は出産に立会をすることにしていました。しかし、仕事中に病院から連絡があって駆けつけたとしても間に合わない可能性もあります。もちろん予定日はあるにせよ、予定していた日にぴったり産まれるなんて限りません。

もうひとつは、わたしたち夫婦がお互いに実家が遠く、出産前後も基本的に二人で乗り切らないといけないこと。子供が産まれてからの生活がどれだけ大変かなんて経験したことがないのでわからないのだから、産まれてしばらくは自分たちの100%を家庭生活に割くしかないよね、と思っていました。(結果的に正解でした。)

育児休暇の交渉

法律上、男性であっても育児休暇を取る権利があるとはいえ、そこは世間で色々と言われているように言いづらさや不安がありました。しかし、育児休暇なしだとたぶん無理だなと思っていたので、勇気を出して相談することにしました。

幸い直属の上司も、その上も横も(一部を除いては)理解がある方たちばかりだったので、けっこうすんなりOKをいただくことができました。

調整などで色々とご迷惑をかけたものの、否定的なことを言ってくる人はほんとうにいなくて、

  • おー、いいね。今どきだね!
  • 育児は大変だぞー、取れー
  • 自分の時代にも取りたかったわー。絶対そのほうがいい。

などコメントもらいました。

周りの方々のご協力もあって、予定日のある月の1日から休みにはいることになりました。なお、法定の育児休暇は出生日からと決まっているので、一旦出産予定日から育児休暇、それまでは有給休暇で申請を出して、実際に産まれたら変更申請、といった流れでの社内事務手続きでした。

(この辺は大きな会社だと人事部とかが色々とやってくれるのでありがたいです。)

休暇開始〜産まれるまで

産まれるまでの休暇中は基本的に妻と二人で過ごしていました。予定日まで一ヶ月を切っているので、妻のお腹もだいぶ大きくなってきていて、日常生活もなかなか大変そうでした。

そのため、基本的に家事は全部夫のタスクだと思って動いてました。もちろん全てを完璧にこなせたかというとそうではないのですが、自分が仕事をしているときに比べると家事の割合をだいぶ増やして過ごしました。

また、子供が産まれるのを促すために妊婦さんは散歩を勧められるので、妻と二人毎日2,3キロは歩いてました。路上で産気づいたりしても心配なので、基本は一緒に散歩。出かけるときも常に一緒、でした。予定日より早くから休暇に入りましたが、休んでみて出産前の数週間のサポートは絶対あったほうがいいなと思いました。仲のいい両親と同居しているとかでない限り、夫側も予定日の2週間前くらいから休んでそばにいたほうがいいと思います。産まれた日から休むとかだと全然足りないです。

この時期は散歩などの運動への付き添い、家事全般に加えて、出産と育児に関して必要なものの買い出し(ネット含む)も行っていました。産科で「これを準備しなさい」というリストが書かれた冊子などもらうと思うのでそれを見つつ、ネットやたまひよなどで「実際コレ要らない」みたいな声も見つつ、トータルで判断・・・するのが難しいんですよね。身近なお友達で小さいお子さんのいる方に聞いてみるというのも良いと思います。

いよいよ出産

こればかりはその親子ごとに千差万別なのでなんとも・・・ですが、予定日かどうかに関係なく突如陣痛が来たりします。前もって休んでおけば、「仕事中に電話がかかってきて、駆けつけたときには産まれてた」なんてことにならずに済みますし、「きた!」というときにサポートしながら病院まで連れていけます。

というのは半分本当半分ウソで、大体「陣痛きたかも」みたいなときって夫のほうがあたふたしちゃうので、サポート半分、慌て半分くらいになります実際。

幸い、我が家は母子ともに健康に出産を終えました。

産まれてから退院まで

さて、ここからが育児休暇の本番です。

出産後は病院にもよりますが、1週間程度入院が必要です。そのため、この間は毎日病院に通っていました。

病院でやることは、ひたすら待機でした。・・・というのも、子供が夜中に泣いて妻が授乳→ちょっと寝る→泣く→授乳→・・・の繰り返しなので、早い話が妻寝不足なんですね。昼間も子供はおむつとかお腹空いたとかで泣くわけですが、夫が横に居ればすくなくともおむつは変えられるので、妻の昼寝時間を確保することができます。

このときの妻に感想を聞いてみましたが、

  • 1, 2時間でも寝られると体調が全然違う。
  • 赤ん坊と二人で居るときに寝ていると、少しの声や寝息に敏感になるので休まらない。夫が居ると思うと、最悪困ったら起こしてくれるので、それまでは気にせず寝ていられる。
  • 寝る以外にも、ちょっとトイレ行ったりするにも気軽にいけるので、良い。

とのことでした。病院によって夜中赤ちゃんを預かってくれるところもあるので、そういうところであれば睡眠不足も少しはマシかもしれません。が、夜中も母親が授乳しないといけない病院だと、睡眠は切実です。

日中妻と子の横でつきっきり、というのは育休をとらないと実現できないので、このときは本当に休んでよかったと思いました。。

面会時間が終わるころに、妻の着替えを持って帰宅。家で洗濯して、翌日新しい着替えをもって病院へ、の流れです。

赤ちゃんを家につれて帰ってきてから

病院に通う生活も、慣れたことに終わりを迎えます。いよいよ子供を自宅につれて帰ってきて一緒の暮らしが始まります。

帰宅してからも、結局夜中は妻が授乳しないといけないので、夜の間は完全に妻に任せました。たまに目を覚ましたときはオムツ替えを手伝ったりしましたが、完全に日勤は自分、夜勤は妻の2交代制です。

育休中、自宅に子供を連れ帰ってきてからの父親業もいくつかあります。

家事全般

なるべく家事全般をやるようにしていました。

  • 掃除
  • 洗濯
  • 料理
  • 買い物
    • 食材、飲み物系
    • オムツ
    • 洗剤など生活必需品

あたりをこなしていました。

妻もでかけたいだろうから、スーパーでの買い物をお願いしようかな?なんて思って聞いてみたのですが、出産後一週間入院していたので無理、とのこと。よく考えたらそうですよね。体から人間ひとり放出したわけですから、歩くにしてもかなりきつい様子。

ここは妻とちゃんと話し合って、家で子守りをしてもらうかわりに、自分が家事全般をやるということで、分担していました。掃除とか結構追いつかないところもありましたが、とにかく家族みんな死なないのが大事ということで、多少のサボりは目をつむってもらって、食事も多めに作って2食食べる等の工夫で乗り切りました。

役所の手続き系

出生届出したり、保険証の云々など、区役所に行っての手続きをしました。他にも時期がたまたま重なったので、保育園の申し込みなど。

会社への申請系

会社や組合などが祝い金出してくれたりするのでその手続や、扶養への追加や、復職申請など諸々。この辺の手続きは当然始めてだったので、難解すぎて嫌になりながらやりました。人事部には本当にお世話になりました・・・。

その後

無事復帰。仕事もなんとかこなしていますが、子供が産まれる前のように夜に行われる社内勉強会やら研修やら、社外のコミュニティの勉強会やらにはほとんど行っていない状態です。

自分が帰らないと妻のワンオペ育児になってしまうので、どうしても参加しなければいけないものだけに絞っています。(なので、そういったことを無視して気軽に夜や休日の業務を入れようとされたり、出張させられそうになると、心底嫌です。)

育児休暇を取ってみて

と、こんな感じで結構大変な思いをしつつ、育児休暇の期間を過ごしました。わりと辛いことも多かったですが、産むのに比べたら、楽と言いながらなんとか乗り切りました。(たぶん)

育児休暇については、正直全員取得したほうが良いくらいだと思います。もちろん各ご家庭でいろんな事情はあると思いますが、取ったほうがいいです。

実家が近くて両親が元気でかついつでもフルサポートしてくれる、とかで無い限り絶対取ったほうがいいです。

今回2ヶ月ほど取りましたが、実際取ってみて思うのは、それでも足りなかったかなと。

こういうこと言うと「仕事を休みたがっている」と思われたりするのですが、育児休暇中、仕事はしてないけど仕事より大変なことしてるわけなので、そこのところを特に管理職層はぽろっと「育休中、資格でも取ったら?」とかふざけたことは言わないほうがいいです。そんな余裕ないです。

育休とらないと妻に育児を任せっきりになってしまうので、それだと本当に辛いと思います・・・。両親二人がかりでやっとなんとか生活していけた、というレベルでした。我が家は。それに、生まれたばかりの子供はほんと毎日成長していくので、その時期に親として一緒に過ごせないと、もう取り返しつかないんですよね。なので、育休は絶対取ったほうがいいです。

とりましょう!

Yoshiki Ito
Yoshiki Ito
山形出身 千葉在住の本業QAエンジニア
2019-02-27

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