人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている/ふろむだ

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Twitterのタイムラインでどなたかが「面白かった」と言っているのを見て読んでみたくなり、購入。

まず思ったのは「ファスト&スローの中身がやさしく書かれている感じだ」ということ。するするっと読めるわりに内容は面白かったです。

全体で書かれていることは、錯覚資産を有効に使おうということ。

錯覚資産とは本書の定義で、

人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚

のこと。錯覚資産を有効に使って、周りからのイメージと自分の実力とをどんどん高めていくことで、生き抜いていく、というのがメインの(と私が解釈した)内容です。

成功は実力次第ではない

本書によると、我々人間は「実力」というものを大幅に過大評価しているといいます。何か、たとえば仕事のプロジェクトに成功/失敗したとして、それを実力が高かったから/低かったからだ、と思いがちです。思いがちなのですが、実際には実力以外の要素、運で決まっていることが多いのです。

ということは、成功する確率を増やすためにはチャレンジの回数を増やすことが必要で、そうやって掴んだ成功を周囲の人は「彼/彼女は実力が髙いから成功したんだ!」と勘違いしてくれる=錯覚資産が増える結果となります。

錯覚資産が増えると実力を逆転できる可能性がある

実力が100あって錯覚資産が70のAさんと、実力が70だけど錯覚資産が100ある(=都合がいいほうに評価されている)Bさんがいたとして、上司や先輩がチャンスをくれたり、目をかけてくれたり、よい環境を提供したりしてくれる可能性が髙いのはBさんのほうです。

そうやって手に入れたチャンスや環境があるので、AさんよりもBさんのほうが成長機会が多くなり、結果的にBさんの実力がAさんを上回っていく。

錯覚資産が増えると、こういったポジティブなループにはまることができます。

まとめ

本書では認知心理学などをベースに、人間がどのように錯覚をするのか等を通して、

  • 人間が他人を評価するとき、全く認知のバイアスなしにフラットに見ているということはありえない
  • でも大半の人は、自分がフラットに評価していると思いこんでいる
  • バイアスがかかるのは避けられないので、それをズルいとかダメだと言って何もしないのではなく、バイアスについて理解した上で上手に利用して生き抜こう

といったことが書かれていました。

現実世界は、「実力が正しく評価される健全でフェアで気持ちのいい世界」なんかじゃない。 思考の錯覚の泥沼の中で、錯覚資産という卑怯な武器で殴り合う、油断のならないジャングルなのだ。

錯覚資産、という概念については始めて出会いましたが、過去の自分を振り返ってみて「あのときは錯覚資産がたまってきていたおかげだったのか!」と自分のなかで説明がついて面白かったです。

表紙にもあるように、新しい良い武器を手に入れました。

Yoshiki Ito
Yoshiki Ito
山形出身 千葉在住の本業QAエンジニア
2019-01-18

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